先日、患者さんからこんな質問をいただきました。「姿勢が悪いと自律神経も乱れるって聞いたんですけど、本当ですか?」
実はこれ、理学療法士としての臨床経験からも、私自身の実感としても、かなり納得できる話です。今日は、姿勢と自律神経がどうつながっているのか、体の構造から説明します。
先にお伝えしておきたいのですが、「姿勢の悪さが自律神経の乱れを引き起こす」ということを直接証明した研究を、私は確認できていません。ここでお話しするのは、体の構造から考えられる一つの仮説として、PTとしての臨床的な見立てだとご理解いただければと思います。
■ 猫背が「呼吸」を邪魔している可能性
姿勢と自律神経をつなぐ鍵として考えられるのが、呼吸です。1本目の記事で、深くゆっくりとした呼吸が副交感神経を優位にしやすいとお伝えしましたが、猫背の姿勢では、この深い呼吸自体がしにくくなる可能性があります。
背中が丸まり、肩が前に入った姿勢になると、胸郭(肋骨で囲まれた空間)が縮こまり、呼吸の主役である横隔膜が動きにくくなることは、解剖学的に説明できる部分です。横隔膜の動きが制限されると、呼吸は浅く速くなりやすいと考えられます。
つまり、「姿勢が悪い→呼吸が浅くなりやすい→交感神経が優位になりやすい」という流れは、体の構造上あり得る仮説であって、この一連の流れそのものを検証した研究データに基づくものではない、という点は正直にお伝えしておきます。
■ デスクワークと育児、どちらも猫背になりやすい

デスクワーク中、画面を覗き込む姿勢は、自然と猫背になりやすいものです。そして育児中も、抱っこや授乳、子どもの様子を見下ろす動作が多く、同じように背中が丸まった姿勢が長時間続きやすくなります。
私自身、息子を抱っこしている時間が長い日は、夕方になると肩や背中が張っているのを感じることがよくあります。この張りは、単なる筋肉疲労だけでなく、その間ずっと呼吸が浅くなっていたことも関係しているのかもしれない、と最近は感じています。
■ 姿勢を意識するときのポイント
「姿勢を良くしましょう」と言われても、常に胸を張り続けるのは現実的ではありません。むしろ長時間の緊張状態を作ってしまい、逆効果になることもあります。
意識してほしいのは、1時間に1回程度、肩を後ろに軽く引いて、胸を広げるように深呼吸をする時間を作ることです。姿勢そのものを完璧に保つよりも、縮こまった姿勢を定期的にリセットする方が、現実的で続けやすい工夫だと考えています。
■ 今日からできること
デスクワークや抱っこで背中が丸まっていると感じたら、一度肩甲骨を寄せるように胸を開き、大きく息を吸ってゆっくり吐いてみてください。それだけで、呼吸の入り方が変わるのを感じられるはずです。
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※本内容は一般的な健康情報の提供を目的としており、特定の症状の診断や治療を代替するものではありません。症状が続く場合や強い痛みがある場合は、必ず医療機関を受診してください。
私はPT(理学療法士)であり医師ではありません。この記事は診断・治療を目的とするものではなく、日常生活に役立つ一般的な健康情報の提供を目的としています。まだまだ勉強中ですので誤りがあればぜひ教えてください🙏


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